【わかりやすい】勝利貢献指標「WAR」とは? 大谷翔平がいなかったらドジャースは地区優勝を逃していた

「WAR」とは?

その選手がもたらした「勝利数」のこと

その選手がどれだけの勝利をもたらしたのか

 「WAR」とは、その選手がもたらした勝利数のことである。「Wins Above Replacement」の略で、日本語では「ウォー」と発音する。

 打撃や投球、走塁、守備に関するあらゆるデータを集約し、その選手が「チームに何勝をもたらした」を数値化する。

 たとえば、同指標で「10.0」を稼いだ選手は、10勝分の働きをしたことになる。

「fWAR」と「rWAR」の違いとは?

 同指標には、2種類が存在する。データサイト『FanGraphs』が算出する「fWAR」と、データサイト『Baseball Reference』が算出する「rWAR」だ。

 計算方法にわずかな違いがあるため、それぞれ異なる「WAR」が算出される。

 たとえば、投手について、「rWAR」は「実際の失点」をもとに計算する。つまり、結果のみを重視している。

 一方で、「fWAR」は「ピッチングの質」をもとに計算する。独立型防御率「FIP」を用いて、与四球、奪三振、被本塁打といった「投手がコントロールできる要素」のみを精査しているのだ。

 また、野手の場合は守備指標が異なる。「rWAR」は、守備で防いだ失点数を示す「DRS」を採用し、「fWAR」は、稼いだアウトの多さを示す「OAA」を採用している。

 このことから「rWAR」は結果を反映し、「fWAR」は実力を反映している、と言える。

rWARfWAR
投球実際の失点投球の質
守備DRSOAA
反映しているもの結果実力

大谷翔平はドジャースで「16.7勝」に貢献

 大谷翔平は、2024年のオフにドジャースに移籍。昨季までの2年間でrWAR16.7を記録した。

 1年目の2024年は打者に専念し、史上初の「50-50」を達成。大谷はrWAR9.0を記録した。ドジャースはこのシーズンに98勝をあげたが、もし大谷がいなかったら、89勝に終わっていたことになる。

 このシーズンはパドレスが93勝を記録したため、大谷がいなかったらドジャースは地区優勝を逃していたのだ。

 2年目の昨季は、自己最多の55本塁打をマーク。しかし、盗塁数が激減した影響で、打者としてはrWAR6.6に終わった。

 一方で、投手としてrWAR1.1をマーク。このことから、大谷はひとりでrWAR7.7を稼いだことになる。

 昨季のドジャースは93勝をあげたため、もし大谷がいなかったら、ドジャースは85勝に終わっていた。このシーズンも、大谷がいなかったらパドレス(90勝)に地区優勝をさらわれていた。

この記事を書いた人 Wrote this article

MLB通信編集部

大手出版社にてメジャーリーグの取材を担当し、選手分析やセイバーメトリクスに関する記事を複数発表。日本のメジャーリーグ報道に可能性を感じ、2024年に『MLB通信』を立ち上げました。