わかりやすい「wRC+」のしくみ 大谷翔平は3年連続リーグ1位

「wRC+」とは

平均的な打者と比べた「得点力の優劣」

 「wRC+」は、打者の得点力(得点を生み出す能力)の優劣、つまり「得点力が平均より高いのか、低いのか」を示す指標だ。「Weighted Runs Created Plus」の略で、打撃を評価する指標として浸透している。

平均値は「100」

 この指標は、リーグの平均的な打者を「100」と考える。wRC+が「150」の打者は、平均的な打者と比べて「得点力が50%高い」ことになる。逆に、wRC+が「75」の打者は、平均的な打者に比べて「得点力が25%低い」ことになる。

wRC+

平均的な打者と比較した得点力の高さ

「wRC+」はすべての選手を平等に比較する

球場の違いによる誤差にも対応

 「wRC+」は、打者の得点力を示す「wOBA」にパークファクター(球場補正)を加えて計算される。そのため、得点環境の有利・不利をフラットにしたうえで、すべての選手を比較できる。

 例えば、バッターに有利なクアーズ・フィールドをホームとする選手と、バッターに不利なグローブライフ・フィールドをホームとする選手が同じ打撃成績を残した場合、後者のほうがより高い「wRC+」が記録される。

時代の異なる選手同士も比較可能

 「wRC+」はシーズンの平均を基準としているため「得点力の傑出度」と言う側面では、異なる時代の選手同士を比較することもできる。

 メジャーリーグの歴史上、もっとも低打率で首位打者となったのがカール・ヤストレムスキー(当時レッドソックス)だ。1968年に打率.301でリーグ最高打率を記録した。このシーズンは多くの名投手が活躍し、歴史的な「投高打低」だった。

 打率だけを見ると、ヤストレムスキーの成績に物足りなさを覚える。一方で、このシーズンにヤストレムスキーはwRC+170を記録した。

 2023年にルイス・アライズ(当時マーリンズ)は打率.354のハイアベレージで首位打者となったが、wRC+は131だった。2023年のアライズより、1968年のヤストレムスキーのほうが「得点力の傑出度」が高かったことになる。

大谷翔平は3年連続リーグ1位

 「wRC+」はデータサイト「ファングラフス」で確認することができる。ドジャース・大谷翔平が過去8年で記録した「wRC+」は以下の通り。2024年シーズンは前人未到の「50-50(50本塁打と50盗塁)」を達成するなど圧巻の打撃力をみせ、平均的な打者より80%も高い得点力をマークした。

 2025年シーズンもキャリアハイの55本塁打を放つなど好成績を残し、wRC+172を記録。大谷はエンゼルス時代の2023年から、規定打席到達者のなかでは3年連続でリーグ1位の数値を叩き出したことになる。

大谷翔平
シーズン別 wRC+
シーズン所属wRC+リーグ順位
2018149規定未到達
2019120規定未到達
202080規定未到達
20211502
20221427
20231801
20241801
20251721