アスレチックス、2度の「1試合3本塁打」バトラーと7年契約 貧困球団にビッグディール相次ぐワケ

「1試合3本塁打」を2度達成

 3月6日(日本時間7日)、アスレチックスはローレンス・バトラーと7年6550万ドル(約97億円)の延長契約を結んだことがわかった。米スポーツ専門チャンネル『ESPN』のジェフ・パッサン記者が報じた。2025年から2031年までの7年間をカバーするもので、2032年シーズンは球団オプションが付随するという。

 バトラーは2023年にメジャーデビューを果たした24歳の外野手。走攻守揃った万能型プレーヤーで、昨シーズンは主に1番打者として125試合に出場し、22本塁打、57打点、OPS.807。bWARは3.0をマークした。

 昨シーズンは7月14日(同15日)のフィリーズ戦と8月29日(同30日)のレッズ戦で「1試合3本塁打」を達成。『MLB.com』のサラ・ラングス記者によると、シーズン中に「1試合3本塁打」を2度記録したのはアスレチックス史上2人目だという。

球団史上3番目の大型契約

 アスレチックスはこのオフ、メッツからFAとなったルイス・セベリーノと球団史上最高額となる3年6700万ドル(約99億円)で合意した。また、チームの主砲であるブレント・ルッカーとは5年6000万ドル(約89億円)で契約を延長している。

 今回のバトラーの契約は、セベリーノ、2004年のエリック・チャベスに次ぐ球団史上3番目の大型契約となる。バトラーはメジャーでのサービスタイムが1年弱であるため、FAとなるのは早くても2029年シーズン終了後だった。しかし、チームはバトラーの将来性を鑑みて、早めに囲い込んだ形だ。

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貧困球団・アスレチックスで大型契約が相次ぐワケ

 メジャーリーグには資金が豊富な球団と資金に貧しい球団がある。アスレチックスの昨シーズンの総年俸はメジャー最下位で、圧倒的後者だ。

 資金力によって戦力がバラつかないように定められたのが「収益分配システム」。これは、黒字球団の収益の一部を赤字球団に分配し、戦力の均衡化を図るというもの。

1億ドル以上の総年俸を目指すアスレチックス

 このシステムのルールのひとつが、受け取った収益の1.5倍以上の総年俸を確保すること。それを下回れば、分配金を没収される可能性があるのだ。今年、アスレチックスに分配される金額は7000万ドル。つまり、2025年の総年俸を1億ドル(約148億円)以上にする必要がある。

 アスレチックスの総年俸は、現時点で7425万ドル(約110億円)。バトラーと大型契約を結ぶことによって、その平均年俸950万ドル(約14億円)が加算されることになる。

 セベリーノの大型契約もルッカーとの契約延長も、収益分配を確保するために総年俸を増加させる作戦に基づくものだと指摘されている。

 それでも、バトラーが将来的に大化けする可能性は高い。いつの日か、バトラーら〝大型契約組〟がチームを常勝軍団に変化させるのかもしれない。