ノーラン・アレナド、本拠地最終戦でファンに〝別れ〟 トレード放出は確実、契約は残り2年3700万ドル

 セントルイスのファンたちは何かを察したようだ。9月21日(日本時間22日)、ブルワーズ対カージナルスの試合がブッシュ・スタジアムでおこなわれ、カージナルスが5対1で勝利した。「7番・二塁」で出場したホセ・ファーミンが3打点をあげ、先発のマシュー・リベラトーアが5回1失点の好投。4投手による盤石の継投でリードを守りきった。

 球場から拍手が巻き起こったのは、試合開始前のことだった。ファンたちの視線の先には「6番・三塁」でスタメンに名を連ねたノーラン・アレナドの姿があった。アレナドはスタメンに登録されていたものの、初回のイニングがはじまる前にノーラン・ゴーマンとの交代が発表されたのだ。

 実は、カージナルスにとってこの日が本拠地でのラストゲームだった。アレナドはオフのトレード放出が確実視されており、地元のファンたちへの〝惜別のメッセージ〟として、フィールドに立った可能性が高い。

 カージナルスは昨シーズンまで2年連続でプレーオフ進出を逃しており、今オフにはジョン・モゼラック編成本部長が編成トップの座を退くことが決まっている。こういった状況を踏まえ、チームは昨オフに「リセット」を宣言。再建へと舵を切った。

 育成重視のチーム運営を目指し、まずは高年俸のベテランを放出する必要があった。最優先課題として「アレナドのトレード放出」が浮上したが、計画は頓挫。ネックとなったのは高額な年俸だった。アレナドは昨オフの時点で、3年6400万ドルもの支払いを残していたのだ。

 アレナドは2013年にロッキーズでメジャーデビューした三塁手だ。天才的な三塁守備で、デビューイヤーから10年連続でゴールド・グラブ賞を獲得した。打撃でも圧倒的な実力を誇り、2015年から7年連続で30本塁打と100打点をクリアし、3度の本塁打王、2度の打点王に輝いている。30代中盤となり、今シーズンはここまで10本塁打、OPS.657と不本意な成績にとどまっている。一方で、ハイセンスな守備は健在だ。三塁守備のDRSは「6」をマークしている。

 2019年のシーズン開幕前にはロッキーズと8年(2019年から2026年)2億6000万ドルの契約延長を結んだ。ロッキーズでの長期的な活躍が期待されていたわけだが、2020年のオフにカージナルスへのトレードが成立。この際にカージナルスは2027年に1500万ドルの契約を付け加えている。

 このような経緯があり、アレナドは2026年に2700万ドル、2027年に1500万ドルの年俸が支払われる。なお、2026年の年俸のうちロッキーズが500万ドルを負担する取り決めがある。まとめると、今シーズン終了後には2年3700万ドルの契約が残ることになる。

 1年間の残留を経て、アレナドの契約は「3年6400万ドル」から「2年3700万ドル」まで減った。カージナルスはこのオフ、改めてアレナドの放出を試みるだろう。来年の3月には、アレナドは何色のユニフォームを着ているのだろうか。

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MLB通信編集部

大手出版社にてメジャーリーグの取材を担当し、選手分析やセイバーメトリクスに関する記事を複数発表。日本のメジャーリーグ報道に可能性を感じ、2024年に『MLB通信』を立ち上げました。