- 日本人選手
- 2026/04/28 14:24
11月18日(日本時間19日)、カブスからFAとなっていた今永昇太が「QO(クオリファイング・オファー)」を受諾し、チームに残留することがわかった。米メディア「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者が伝えている。
QOとは、FAとなる選手に対して、球団が1年契約を提示できる権利のことだ。年俸は「メジャーリーグの年俸上位125名の平均額」と定められており、このオフのQOは2202万5000ドル(約34億円)が設定されている。これにより、球団は一定の年俸で優秀な選手の流出を防ぐことができる。
このオフ、今永の去就は急速に不透明となっていった。カブスが3年5775万ドルの球団オプション(球団が契約の更新を決める権利)を破棄。その後、今永も1年1525万ドルの選手オプション(選手が契約更新を決める権利)を破棄したため、11月4日(同5日)をもってFAとなっていた。
カブスが球団オプションを破棄した最大の理由は、今永の成績不振だ。今シーズンの今永は25試合に登板し、防御率3.73をマーク。フォーシームの質が低下した結果、スプリッターが機能しなくなり、三振割合は昨シーズンの25.1%から20.6%にまで落ちた。以前よりも長打を打たれがちになり、9イニングあたりの平均被本塁打数を示す「HR/9」は1.93に悪化。これは、140イニング以上を投げた投手のなかでワーストの数値だった。
カブスが球団オプションを行使していれば、今永の契約は2028年まで延長されていた。年俸は、2026年と2027年が2025万ドルで、2028年が1725万ドルとなっていた。カブスは今永の成績を踏まえて〝割に合わない〟と判断したことになる。
球団オプションを破棄されたとはいえ、今永は選手オプションを行使して残留することができた。今永が自らのオプションを破棄した理由は「いまのうちに長期契約を結びたい」からだ。
現行の労使協定(メジャーリーガーとしての仕事や報酬に関する取り決め)は、来年12月をもって失効する。新たな労使協定に関して「サラリーキャップ制度」が最大の争点となる見通しで、交渉が難航すればロックアウトが起こる可能性がある。ロックアウトが解除されるまで、すべて契約交渉はストップする。つまり、このタイミングでFAとなる選手は交渉の機会が限られることになり、新たな契約やその後のキャリアに大きな影響が及ぶのだ。
なお、今永が選手オプションを行使した場合、2026年シーズン終了後に2027年シーズンの選手オプション(1525万ドル)も発生する仕組みとなっていた。つまり、今永の意思次第では2年3050万ドルでカブスに残留できたワケだが、今永がこの条件を承服することはなかった。
最終的に今永はQOを受け入れたため、実質的に「新たな1年契約」で残留することとなった。現在の成績で長期契約を模索するより、1年2202万5000ドルで一旦残留したほうが現実的だと判断したのだ。また、メジャーリーグのルールでは、QOを提示された選手を獲得したチームは、元のチームにドラフト指名権を譲らなければいけない。こういったペナルティも、今永がFA市場での交渉を避けた理由として考えられる。
今永以外のFAでは、ブランドン・ウッドラフ(ブルワーズ)、トレント・グリシャム(ヤンキース)、グレイバー・トーレス(タイガース)らがQOを受諾し残留を決めている。
1年後、再びFAとなる今永。メジャーリーガーとしてのキャリアを左右する、勝負の1年がはじまる。
