アレク・マノアに異常事態 球速が急低下し、ドジャース戦で9失点 2022年のサイ・ヤング賞3位右腕 

アレク・マノアが9失点

 5月16日(日本時間17日)、エンゼルスのアレク・マノアがドジャース戦に登板し、9失点を喫した。

 マノアは4点を追う8回にエンゼルスの4番手として登板。しかし、二死二・一塁から大谷翔平に2点タイムリースリーベースを献上。味方のエラーも絡み、大谷もホームに生還した。つづくムーキー・ベッツにソロホームランを被弾し、この回だけで4点を失った。

 さらに、9回には四球とヒットで無死二・一塁のピンチを招き、マックス・マンシーの投ゴロを二塁に悪送球。ボールがセンターを転々とする間に二塁ランナーが生還した。その後、テオスカー・ヘルナンデスと大谷にタイムリーを打たれ、9点目を失った。

懸念されるマノアの「球速」

 マノアは2019年のドラフトで、ブルージェイズから全体11位指名を受けた右腕だ。2022年には31先発(196.2イニング)で防御率2.24をマークし、サイ・ヤング賞投票で3位にランクインした。

 2024年、順風満帆だったキャリアに悲劇が降り掛かった。同年5月のホワイトソックス戦で右ヒジに痛みを訴え、その後、じん帯の損傷が発覚。トミー・ジョン手術を受け、シーズンを全休した。

 昨季もリハビリに専念し、メジャーでの登板は叶わなかった。シーズンオフにDFAを受け、FAを選択。ブレーブスを経て、エンゼルスとメジャー契約を結んだ。

 5月に故障者リストから復帰すると、8日(同9日)のブルージェイズ戦でおよそ2年ぶりの登板を果たした。11日(同12日)のガーディアンズ戦では、実質的な「第二先発」として4回から登板。5イニングを無失点に抑える好投を見せた。

 しかし、9失点を喫したこの日のマノアは、球速が大幅に低下していた。シンカーの平均球速は86.4マイル(139.0キロ)で、今季の平均球速と比べて2.7マイル(4.3キロ)も低下していた。チェンジアップも平均で82.4マイル(132.6キロ)にとどまり、打者にとっては、あまりにも〝打ちごろ〟だった。

 今季の平均球速も、2022年と比べて明らかに低下している。以下は、各球種の平均球速を時系列でまとめたものだ。

フォーシームスライダーシンカーチェンジアップ
2022年93.9mph81.5mph93.2mph86.5mph
2026年89.0mph78.0mph89.1mph84.6mph
2026年5月17日84.6mph76.0mph86.4mph82.4mph
データサイト『ベースボール・サバント』より

 通常、トミー・ジョン手術から復帰したばかりの投手は球速が低下するものだ。それを含めても、マノアの球速低下は顕著であり、なんらかの故障が心配される。

 この日の大炎上を経て、マノアの今季成績は防御率9.82、FIP6.78となった。

この記事を書いた人 Wrote this article

MLB通信編集部

大手出版社にてメジャーリーグの取材を担当し、選手分析やセイバーメトリクスに関する記事を複数発表。日本のメジャーリーグ報道に可能性を感じ、2024年に『MLB通信』を立ち上げました。