ウォルター・ジョンソンの「通算奪三振数」の謎 公式サイトでは「3508」、リファレンスでは「3509」、老舗統計企業では「3515」

マックス・シャーザーが通算奪三振数で歴代10位に浮上

 8月8日(日本時間9日)、ブルージェイズのマックス・シャーザーがフィリーズ戦に先発し、通算奪三振数でメジャー歴代10位に浮上した。

 シャーザーは6回、カイル・シュワーバーから見逃し三振を奪った。これがキャリアで3516個目の奪三振となり、これまで歴代10位に位置していたウォルター・ジョンソンの通算奪三振記録を上回ったのだ。

 シャーザーは3度のサイ・ヤング賞を誇る剛腕だ。メジャー19年目の今季はここまで9試合に登板し、防御率7.25をマーク。6月のフィリーズ戦では史上11人目の通算3500奪三振を達成。奇しくも今回と同じく、シュワーバーから見逃し三振を奪ったものだった。

ウォルター・ジョンソンの「通算奪三振数」の謎

 ジョンソンは、メジャーリーグの歴史を代表する名投手だ。1900年代初頭にセネターズ(現ツインズ)で活躍し、あまりの剛速球から「ビッグ・トレイン(人間機関車)」と呼ばれた。21年間のキャリアであげた「417勝」は、サイ・ヤングに次いでメジャー歴代2位。通算110完封は、いまなおメジャー歴代1位だ。

 しかし、このジョンソンについて、いまでも定かになっていないことがある。それは「通算奪三振数」だ。『MLB.com』では、ジョンソンの通算奪三振数について「3508」となっている。一方で、データサイト『ベースボール・リファレンス』では「3509」となっている。

 また、スポーツデータの統計をおこなう老舗企業『エリアス・スポーツ・ビューロー』は、ジョンソンの通算奪三振数を「3515」としている。複数の現地メディアは、シャーザーが通算3516奪三振を達成した時点で「ジョンソンを超えた」と報じているため、同社のデータを支持していることがわかる。

 なお、もしジョンソンが「通算3508奪三振」だった場合、シャーザーは8月2日(同3日)のカージナルス戦で、初回にアレク・バールソンから見逃し三振を奪った時点でジョンソンを超えていたことになる。

 現在と違い、当時のメジャーリーグでは記録の管理体制が不十分だった。そのため、ジョンソンの通算奪三振数に関して、資料間の不一致が発生したと考えられる。

 たとえば、「球聖」と呼ばれたタイ・カッブに関しても、通算成績に食い違いがある。『MLB.com』では、通算打率.367、通算4191安打となっているが、『ベースボール・リファレンス』では通算打率.366、通算4189安打となっている。

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Takafumi Kamiki

『MLB通信』の編集長をしています。大手出版社では、プロ野球・メジャーリーグに関するインターネット記事を書いていました。