- トリビア
- 2025/07/14 09:57
【わかりやすい】打撃指標「OPS」とは? 「打率」との違いや、見落としがちな欠点を解説
「OPS」ってどんな指標?
出塁率と長打率を足したもので、その打者の得点力がわかる
「OPS」とは
「OPS」とは、その打者の「得点力」を示す指標だ。「On-base Plus Slugging」の略で、出塁率と長打率を足すだけで算出できる。
「OPS」のシーズン平均は、およそ「.720」である。以下は、過去4シーズンにおけるメジャーリーグの平均値だ。
| OPS | |
| 2022 | .706 |
| 2023 | .734 |
| 2024 | .711 |
| 2025 | .719 |
データサイト『baseball-reference』より
「OPS」は、1984年にセイバーメトリクス研究家のビル・ジェームズ氏によって発表された。ジェームズ氏は同指標を用いて、以下のように打者を評価している。一般的に、同指標が「1.000」を超えると「リーグトップクラスの打者」「MVP級」となる。
| OPS | 評価 |
| .900 以上 | 素晴らしい打者 |
| .833 以上 | とても良い打者 |
| .766 以上 | 平均以上の打者 |
| .700 以上 | 平均的な打者 |
「OPS」と「打率」の違い
これまで、打者は「打率」で評価されてきた。しかし、打率は「ヒットを打つ能力」を示しているだけで、得点との相関性は低い。
一方で「OPS」は得点との相関性がきわめて強い。その打者の「OPS」が高ければ高いほど、チームにより多くの得点をもたらしていることになるわけだ。
ベースボールは、ヒットの数ではなく得点を競うゲームだ。このことから、現在のメジャーリーグでは「OPS」が圧倒的に支持されているのだ。
「OPS」の見落としがちな欠点とは?
「OPS」の欠点として、長打力と出塁力を平等に評価できない点があげられる。これは、最大値の違いによって起こるものだ。
出塁率の最大値は「1.000」で、長打率の最大値は「4.000」である。これにより、長打力のある打者は「OPS」を稼ぎやすく、出塁を過小評価してしまうのだ。
例として、2001年のイチロー(当時マリナーズ)とエリック・チャベス(当時アスレチックス)をあげたい。
このシーズンの2人の成績は以下のとおりだ。
| rWAR | 打率 | 本塁打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
| イチロー | 7.7 | .350 | 8 | .381 | .457 | .838 |
| エリック・チャベス | 6.1 | .288 | 32 | .338 | .540 | .878 |
イチローはこのシーズン、打率.350で首位打者を獲得。しかし、ホームランは8本だけだった。長打率の低さが尾を引き、「OPS」はリーグ27位だった。
チャベスはこのシーズン、32本塁打を放った。打率や出塁率はイチローに比べて低かったものの、「OPS」はイチローよりも高かった。
勝利への貢献度を示す「WAR」はイチローのほうが高かったが、「OPS」だけを見ればチャベスに軍配があがる。このように「OPS」は長打を過大評価、出塁を過小評価してしまうのだ。