レッドソックスがアドリー・ラッチマンを電撃獲得 これはヤンキースに対する「敵対的トレード」だ
レッドソックスがアドリー・ラッチマンを獲得
8月3日(日本時間4日)、レッドソックスがトレードをおこない、オリオールズからアドリー・ラッチマンとジェイク・ロジャースを獲得した。レッドソックスは対価として、カルロス・ナルバエスと3名のプロスペクト、さらに後日指名選手(1名)をオリオールズに放出する。
レッドソックス獲得
アドリー・ラッチマン(捕手)
ジェイク・ロジャース(捕手)
金銭
オリオールズ獲得
カルロス・ナルバエス(捕手)
アンソニー・アイアンソン(マイナー右腕)
エンディ・アゾカール(マイナー外野手)
キーソン・ウィザースプーン(マイナー右腕)
後日指名選手
レッドソックスがヤンキースとの競り合いを制する
レッドソックスによるラッチマンの獲得は、単なる戦力補強だけでなく、ヤンキースに対する「敵対的トレード」の意味合いを持つ。レッドソックスは「ヤンキース・ラッチマン」の誕生を阻止するために、膨大な対価を支払ったのだ。
ヤンキースの補強ポイントは捕手だった。しかし、マーリンズのリアム・ヒックスはレイズにかっさらわれ、ハンター・グッドマンはロッキーズが放出しなかった。市場に残っている有力な捕手はラッチマンのみとなり、レッドソックスとの一騎打ちになった。
米スポーツ専門局『ESPN』のジョージ・カスティーヨ記者によると、ヤンキースはエルマー・ロドリゲスを対価として提示したが、合意を得られなかったという。また、米メディア『heavy.com』は、オリオールズは対価としてトッププロスペクトのカルロス・ラグランジュを要求したと報じている。ラグランジュの放出は、ヤンキース側がためらった模様だ。
ヤンキースが決定打に欠けるなか、レッドソックスが大型パッケージを提示することでトレードを成立させた。ヤンキースとの競り合いがなかったら、対価はより小規模なものになっていただろう。
今年のトレード・デッドラインで最大のサプライズに
ラッチマンは攻守を兼備する捕手だ。今季はここまで67試合に出場し8本塁打、OPS.764をマークしていた。現在は「左手首の炎症」により故障者リストに登録されている。
2019年のドラフトで全体1位指名を受けてオリオールズに入団したエリートだ。2023年には20本塁打、OPS.809をマークし、前年まで6年連続で地区ワーストクラスに低迷していたオリオールズを地区優勝に導いた。いわば「再建の象徴」とも言える存在だった。
しかし、その立場に暗雲が立ち込めていた。昨季、ラッチマンは2度にわたり腹斜筋(わき腹)を痛め、わずか90試合の出場に終わった。その間にトッププロスペクト捕手のサミュエル・バサヨがメジャーに昇格し、チームと8年間の契約延長を結んだ。これは、オリオールズがバサヨを長期的な正捕手として計算している証拠だった。
さらに、今季のオリオールズはア・リーグ東地区4位に低迷している。トレード・デッドラインでは「売り手」として動くと見られており、ラッチマンが放出される可能性が高まっていた。
ボルティモアの英雄は、名門・レッドソックスでどんな雄姿を見せてくれるだろうか。
■文・構成 Takafumi Kamiki(MLB通信編集部)
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