- 2025/01/30 08:32
ハリソン・ベイダーがジャイアンツに与える影響とは? イ・ジョンフの右翼転向が合理的なワケ
ジャイアンツが外野手の補強に着手した。メジャーでも屈指の好守を誇る男の加入は、チーム編成に大きな影響を与えそうだ。
ジャイアンツがハリソン・ベイダーを獲得
契約内容
1月26日(日本時間27日)、ジャイアンツは、フィリーズからFAとなっていたハリソン・ベイダーと契約合意に達した。米スポーツメディア『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタール記者が報じた。
契約内容は2年2050万ドル。パフォーマンスに応じて50万ドルのインセンティブが発生する。身体検査を経て正式に発表される見通し。
ハリソン・ベイダーはこんな選手
ベイダーは攻守を兼備する右打ちの外野手だ。昨シーズンはツインズとフィリーズで146試合に出場し17本塁打、OPS.796の好成績をマーク。Pull Air%(引っ張り方向へのフライ・ライナー率)は23.8%と高く、17本塁打のうち15本をレフトスタンドに放り込んだ。
何よりもの強みは外野守備だ。外野3ポジションを守ることができ、いずれも広い守備範囲を誇る。昨シーズンは中堅(568.2イニング)でOAA3、左翼(496.0イニング)でOAA3をマーク。過去5シーズンのOAAは合計で42に達し、これは同期間における外野手としてメジャー3位である。
ジャイアンツは外野守備を刷新へ
ジャイアンツの弱点にひとつに「外野守備」が挙げられる。昨シーズン、ジャイアンツの外野手が記録したOAAは合計で「-18」でメジャー最下位だった。
本拠地「オラクル・パーク」はメジャーでもっとも外野守備が難しい球場だ。右中間に特徴的な深みがあり、中堅手と右翼手は広大な守備範囲を求められる。また、サンフランシスコ湾から風吹き込む海風によりフライの軌道が不安定になりがちだ。
こういった事情から、ジャイアンツで中堅手、右翼手として活躍するには、平均以上の守備範囲と打球判断が求められる。ベイダーの加入は外野守備に安定感をもたらし、チームの失点抑止につながるだろう。
ジャイアンツの外野はどうなるのか
イ・ジョンフは右翼転向か
ベイダーの加入によりもっとも影響を受ける選手がイ・ジョンフだ。イは昨シーズン、150試合に出場し8本塁打、OPS.735をマーク。メジャー2年目にして中堅のレギュラーを確保したものの、課題として浮上したのが「守備の稚拙さ」だ。
昨シーズン、イは1275.2イニングで中堅を守り、同ポジションではメジャーワーストのDRS(-18)を記録してしまった。前述の通り、オラクル・パークは広大な守備範囲が求められる。イはOAAでも-5と平均以下であり、中堅手としての適正そのものに疑問符がつく。
左翼にはエリオット・ラモスがいるため、ベイダーを中堅で起用する場合、イは右翼へコンバートされることになる。イは韓国球界時代に右翼で275試合に出場しており、守備の負担が減ることで打撃にも好影響を与えるだろう。
若手右翼手たちはトレードの可能性も
ジャイアンツの右翼は確固たるレギュラーが不在で、ドリュー・ギルバート、ルイス・マトス、ジェラール・エンカーナシオンが出場機会を争っていた。ベイダーが中堅に入り、イが右翼へ移れば、彼らの出場機会はますます限られることになる。
守備力の高さを踏まえると、ギルバートが「第4の外野手」としてベンチで待機するプランが浮上する。ギルバートは昨年のトレード・デッドラインでタイラー・ロジャースの対価として加入し、8月にメジャーデビューした。
39試合でOPS.598と打撃には改善の余地がある一方、オラクル・パークを苦にしないフィールディングを誇る。最大のセールスポイントは強肩で、平均送球速度は89.4マイル(約144キロ)に達する。
現状を踏まえると、マトスが開幕までにトレードされる可能性が高い。マトスは昨シーズンに8本塁打、OPS.691と打撃でキャリアハイを更新したが、守備ではOAA-6を記録するなど精彩を欠き、現在はアクティブ・ロースターを外れている。
まとめ
ベイダーの加入により、攻守の両面でアップグレードに成功したジャイアンツ。強豪がひしめくナ・リーグ西地区に番狂わせを起こすことができるか――