ハーパー、ホリデイら「全体1位指名のスター」5人が同じ日にホームラン 今年はナショナルズが指名権

ドラフト制誕生以降で6例目

 メジャーリーグのドラフトにおいて「全体1位」の栄冠を手にするのは毎年たったひとりだけだ。昨年のドラフトでは、オレゴン州立大学のトラビス・バザナがガーディアンズから全体1位指名を受けた。バザナはオーストラリア・シドニー生まれ。オーストラリア国籍の選手が全体1位指名を受けるのはメジャー史上初のことだった。

 全体1位指名はその実力を裏付けるものであり〝将来のスーパースター〟に対する約束手形のようなもの。メジャーの歴史を振り返れば、ケン・グリフィー・ジュニア(1987年全体1位)、アレックス・ロドリゲス(1993年全体1位)、スティーブン・ストラスバーグ(2009年全体1位)などの名選手が全体1位指名からスター街道を駆け上がった。

 4月16日(日本時間17日)のメジャーリーグでは、そんな全体1位指名を受けた選手たちが躍動した。MLB公式サイトのブレント・マグワイア記者によると、この日は5人もの「全体1位指名選手」がホームランを放つという珍しい出来事が起こったという。

 フィリーズのブライス・ハーパー(2010年の全体1位)が第4号、オリオールズのジャクソン・ホリデイ(2022年全体1位)が第2号満塁ホームラン、タイガースのスペンサー・トーケルソン(2020年全体1位)が第6号、ロッキーズのミッキー・モニアック(2016年全体1位)が第2号、パイレーツのヘンリー・デービス(2021年全体1位)が第1号をそれぞれの試合で放った。

 5人以上の「全体1位指名選手」が同じ日にホームランを放ったのは、ドラフト制が導入された1965年以降で6度目、2009年8月7日(同8日)にパット・バレル(1998年全体1位)、グリフィー・ジュニア、ジョシュ・ハミルトン(1999年全体1位)、ジョー・マウアー(2001年全体1位)、ロドリゲスがホームランを放って以来、約16年ぶりのことだった。

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ハーパーは通算339本塁打

 これまで2度のシーズンMVP(2015年、2021年)に輝いたハーパーがフィリーズに加入したのは2018年オフのこと。当時史上最高額となる13年3億3000万ドル(約370億円)という巨大契約で迎え入れられて以来、中心的存在として強豪を支えている。通算で339本塁打、bWARは51.3を記録するなど、全体1位の名に恥じない活躍をみせているハーパー。とりわけポストシーズンに強く、計53試合で17本塁打、OPS1.016を記録している。今年こそはワールドシリーズ制覇の悲願を叶えたい。

 ホリデイは通算316本塁打のマットを父に持つ強打の内野手。メジャーデビューを果たした昨シーズンは60試合でOPS.566と本来の実力を発揮できなかったが、今シーズンは開幕戦からスタメンで起用され続けている。有力な若手野手が多いオリオールズのなかでも、ホリデイの期待値はひときわ高い。なお、弟のイーサン・ホリデイ(スティルウォーター高校)も今年のドラフト1位候補となっている。

 昨シーズンは不調によりマイナー降格も味わったトーケルソンだが、その打撃センスに疑いの余地はない。ドジャースとの開幕戦では約130メートルの一発を放つなど幸先の良いスタートを切った。ここまで全試合に出場し、16日(同17日)終了時点でOPSは.947を記録。高いパフォーマンスを継続できればタイトルも狙える実力者だ。

 モニアックは開幕直前にエンジェルスをリリースされ、ロッキーズに加入した外野手。エンジェルス時代は大谷翔平のチームメイトとして知られていたが、荒削りな打撃に改善の余地がある。昨シーズンまでのwRC+は93で平均を下回っているが、打者有利のクアーズ・フィールドを本拠地とするロッキーズで飛躍を遂げるかもしれない。デービスは、正捕手のジョーイ・バートの故障に伴いコールアップ。14日(同15日)のナショナルズ戦ではポール・スキーンズ(2023年全体1位)とバッテリーを組み、メジャー史上初となる「全体1位指名バッテリー」として話題になった。

今年の全体1位指名権はナショナルズ

 これまで全体1位指名でプロ入りした選手は59人。そのうち11.9%にあたる7人がシーズンMVPを獲得、44.1%にあたる26人がオールスターに選出されるなど、その実力は突出していると言える。

 今年は7月13日(同14日)からドラフトがおこなわれ、ナショナルズが全体1位指名権をもつ。この日ホームランを打った5人のように、新たなスターが誕生するわけだ。