- 2025/02/17 17:30
トレード・デッドラインを迎えたメジャーリーグ。今年も多くの選手たちが活躍の場を移すことになった。一方で、トレード移籍が有力視されつつ、チームにとどまった選手も存在する。この記事はア・リーグ編だ。
ルイス・ロバート・ジュニア(ホワイトソックス)
ロバート・ジュニアはシーズン終了後にFAとなり、2026年と2027年は球団オプションが設定されている。再建期の真っ只中のチーム事情も含め、昨オフの段階でトレード市場で注目を集めていた。
これまで、メッツやドジャースなど複数のコンテンダーが移籍先候補として報じられてきた。トレードが実現しなかった最大の理由は、今シーズンの成績低迷に他ならない。ロバート・ジュニアは2023年に38本塁打、20盗塁、OPS.857の好成績を残すも、以降は本来の実力を発揮できていない。今シーズンも開幕から88試合に出場し、ここまで11本塁打、OPS.653。wRC+は81で平均を下回っている。
その選手のパフォーマンスによって、トレードの対価は変動する。ロバート・ジュニアの場合は、ホワイトソックスが放出に踏み切るほどのオファーが届かなかったことになる。「MLB.com」のマーク・フェインサンド記者は、ホワイトソックスはロバート・ジュニアの球団オプションを行使し、来シーズンもチームに残留させる見込みだと報じている。成績が向上し、トレード・バリューが最大化するタイミングを模索するというわけだ。
| 試合 | 打数 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
| 88 | 300 | 11 | 43 | 27 |
| ヒット | 打率 | 対右打率 | 対左打率 | 得点圏 打率 |
| 64 | .213 | .186 | .297 | .274 |
| OPS | 出塁率 | 長打率 | wOBA | wRC+ |
| .653 | .300 | .353 | .288 | 81 |
| 四球 | BB% | 三振 | K% | ゴロ率 |
| 36 | 10.5% | 98 | 28.5% | 37.3% |
| ハードヒット率 | バレル率 | rWAR | ||
| 41.3% | 11.1% | 0.8 | ||
ジャレン・デュラン(レッドソックス)
走攻守に優れた万能型外野手で、昨シーズンはメジャー5位となるrWAR8.7を叩き出したデュラン。そんなデュランだが、外野手が飽和状態のチーム事情もあり、トレード市場の有力候補のひとりとなっていた。
デュランをトレードすることでロマン・アンソニーら若手外野手が出場機会に恵まれる。さらに、その実績に加え、2028年終了後まで3年以上保有できるデュランはトレード・バリューが極めて高く、トッププロスペクトや即戦力級の先発投手など質の高い対価を獲得できるというわけだ。
移籍先の有力候補としてパドレスやフィリーズが報じられていたが、結局、このトレードは実現しなかった。考えられる理由は主にふたつで、ひとつ目はデュランの成績だ。昨シーズンのインパクトが大きすぎたこともあるが、今シーズンはここまで108試合に出場し11本塁打、OPS.793と突出した成績とは言い難い。
ふたつ目は、レッドソックスの好調だ。6月以降は地区4位に低迷し、ラファエル・デバースの放出にも踏み切ったレッドソックス。ところが、7月から徐々に勝ちが先行し、前半戦を10連勝で締めくくった。後半戦も勝ちを目指しプレーオフ進出を目指すなら、デュランをチーム内にとどめておくのは当然だ。
| 試合 | 打数 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
| 108 | 438 | 11 | 60 | 18 |
| ヒット | 打率 | 対右打率 | 対左打率 | 得点圏打 率 |
| 116 | .265 | .296 | .204 | .301 |
| OPS | 出塁率 | 長打率 | wOBA | wRC+ |
| .793 | .332 | .461 | .342 | 115 |
| 四球 | BB% | 三振 | K% | ゴロ率 |
| 38 | 7.8% | 119 | 24.5% | 40.5% |
| ハードヒット率 | バレル率 | rWAR | ||
| 48.1% | 10.9% | 3.2 | ||
菅野智之(オリオールズ)
望みの薄いシーズンを過ごすオリオールズは、「売り手」として大量の選手を放出することが見込まれていた。実際に、ライアン・オハーンとラモン・ローレアーノがパドレスに、セドリック・マリンズがメッツに、ラモン・ウリアスがアストロズに、アンドリュー・キットリッジがカブスに移籍することになった。
昨オフに1年契約で加入した菅野もトレード候補にひとりだったが、実現することはなかった。どのチームでも4番手、5番手投手として活躍できるポテンシャルはあるものの、前半戦の成績を踏まえて、オリオールズが納得できるオファーがなかったのかもしれない。
ここまで20試合に先発し8勝5敗、防御率4.38、FIP5.20とやや苦戦を強いられている菅野。奪三振割合は15.2%で、これは100イニングを投げた投手のなかではリーグワースト。フォーシームの被打率.304と打たれがちで、スプリッターで打ち取る投球スタイルになっている。
シーズン終了後にはFAとなり、新天地を探すことになる菅野。日本人投手史上最年長となる「35歳と170日」でメジャーデビューを果たしたオールドルーキーは、後半戦もオリオールズで腕を振りつづける。
| 試合 | 先発 | 救援 | イニング | WHIP |
| 20 | 20 | 0 | 109.0 | 1.33 |
| 勝 | 敗 | セーブ | 防御率 | FIP |
| 8 | 5 | 0 | 4.38 | 5.20 |
| 被OPS | 被出塁率 | 被長打率 | 被打率 | 得点圏被 打率 |
| .776 | .321 | .455 | .270 | .242 |
| 奪三振 | K% | 与四球 | BB% | K/BB |
| 71 | 15.2% | 28 | 6.0% | 2.54 |
| 被ハードヒット率 | HR/9 | ゴロ率 | rWAR | |
| 38.2% | 1.73 | 41.2% | 0.8 | |
そのほかにもア・リーグでは、ガーディアンズのスティーブン・クワン、レイズのヤンディ・ディアス、ピート・フェアバンクス、ツインズのジョー・ライアンなどが、トレード候補と目されつつも残留が決まった。