- 2025/03/28 08:00
守備率の問題点
守備の指標といえば「守備率(Fielding percentage)」が真っ先に思い浮かぶ。日本でも馴染みのあるこの指標は「守備機会のうち、エラーをしなかった率」を表している。しかし「守備率」では「守備のうまさ」を測ることはできない。たとえば、二種類のショートゴロを例に考える。
1 真正面に転がってきた平凡なショートゴロ
2 三遊間を抜けそうな強烈なショートゴロ
1と2をアウトにしても「守備率」は変わらない。ましてや、2の打球に食らいつきエラーをしてしまった場合は減点となってしまう。守備の本質は「アウトをとり、失点を防ぐこと」だ。「難しい打球をアウトにし、失点を防いだ」という点で、DRSは1よりも2をアウトにした遊撃手を高く評価する。
DRSの注意点
異なるシーズン、異なるポジションでの比較
DRSはシーズンごとにデータを集計・反映されている。そのため、DRSでは異なるシーズンのプレイヤー同士を比較するには不適切である。同時に、異なるポジションのプレイヤー同士を比較することはできない。
サンプルの少ないプレイヤーを評価しづらい
プレイヤーの守備力を評価するには一定のサンプル(守備機会)が必要となる。たとえば、シーズンで50イニングを守ってDRS2を獲得したとしても、サンプル数が少なく、適切にそのプレイヤーを評価できない。
そこで、データサイト『ベースボール・リファレンス』では、守備機会の少ないプレイヤーでも評価しやすいように「Rdrs / yr」という項目がある。「Rdrs / yr」では、そのプレイヤーが1200イニングを守ったと仮定してDRSを算出している。
通算DRSランキング
MLBがDRSを採用したのは2003年。以降、DRSによって数多くの〝守備職人〟が生まれてきた。2003年から2024年シーズン終了時点での、通算DRSトップ5は以下の通りだ。
1 アンドレルトン・シモンズ 遊撃 201
2 エイドリアン・ベルトレ 三塁 200
3 ヤディアー・モリーナ 捕手 184
4 ノーラン・アレナド 三塁 162
4 ケビン・キアマイアー 中堅 162
5 ジェイソン・ヘイワード 右翼 155
※データサイト『ファングラフス』参照
1位は、通算DRS「201」のシモンズ。シモンズは現役時代に遊撃の名手として知られ、4度のゴールドグラブ賞、1度のプラチナ・ゴールド・グラブ賞を受賞した。2018年から3シーズンはドジャース・大谷翔平のチームメイトとして共闘した。
特に、エンジェルス時代の2017年にはシーズンDRS「41」を記録。これは2015年のキアマイアー(DRS38)を超えるシーズン歴代最高記録である。
現役プレイヤーでは歴代4位のアレナドがトップ。2013年のメジャーデビューから10年連続でゴールド・グラブ賞を受賞した球界屈指のサードベースマンだ。
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