- 2025/07/17 15:45
・「ABS」はストライクやボールの判定を自動でおこなうもの
・ヤンキース対ジャイアンツの開幕戦で「ABS」が使用された
・メジャー第1号はホセ・カバイェロだった
・「ABS」は選球眼の良い打者やコントロールの優れた投手にメリットをもたらす
ロボット審判「ABS」とは?
メジャーリーグでは、今シーズンから〝ロボット審判〟が導入されている。「ABS」と呼ばれるもので、日本語に訳せば「全自動ボール・ストライク判定システム」となる。
一言で言えば、テクノロジーを用いて各投球のストライク、またはボールを精査するもの。すべての投球をロボットがコールするのではなく、球審の判定に対して「チャレンジ」が宣告された場合のみ、ロボット審判が活用される。
チャレンジできる回数は、1チームにつき2回のみだ。チャレンジをおこなえるのは、投手、打者、捕手。投手が投げた際どい球を「ボール」と判定されたり、打者が見逃した絶妙な球を「ストライク」とコールされた場面などで、チャレンジすることができる。
チャレンジが成功した場合、つまり「ロボット審判によって判定が覆った場合」は、回数は消化されない。チャレンジが失敗した場合、つまり「球審のコールが正しいとされた場合」は、回数が減ることになる。
チャレンジ第1号はホセ・カバイェロ
開幕早々、ロボット審判に出番が訪れた。3月25日(日本時間26日)、ヤンキースとジャイアンツの開幕戦がおこなわれた。この試合に「7番・遊撃」で出場したホセ・カバイェロが、公式戦における初チャレンジをおこなった。
4回オモテ、先頭で打席に入ったカバイェロは、ジャイアンツのローガン・ウェブが初球に投じた内角高めのシンカーを見逃した。球審の判定は「ストライク」。カバイェロはヘルメットを軽く叩き、チャレンジの意思を球審に通告した。
すぐさま「ABS」が起動し、アニメーションを用いた映像が球場のスクリーンに流された。ウェブのボールはゾーンを通過していたため、カバイェロのチャレンジは失敗となった。0ボール1ストライクから再開し、最終的にカバイェロはサードゴロに倒れた。
ロボット審判で「得する選手」とは?
ロボット審判の導入は、選球眼を武器にする打者にメリットをもたらす。『MLB.com』は3月21日(同22日)、「ロボット審判によってもっとも得する選手は誰だ?」と題した記事を公開。現役選手へのアンケートの結果、フアン・ソト(メッツ)が1位になった。
ソトは球界最高の選球眼を誇る選手だ。昨シーズン、ソトはメジャー最多となる127個の四球を選んだ。全スイングのうち、ゾーン外のボールを振った割合を示す「チェイスレート」は15.9%で、これは規定打席に到達した打者のなかで1位だった。
ロボット審判の導入によって、ソトはより正確にストライクゾーンを管理することができる。その結果、四球数の増加や打撃成績の向上につながるだろう。
ほかにも、選球眼の良い打者は「ABS」を味方につけることができる。アンケートの結果では、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)、スティーブ・クワン(ガーディアンズ)、アレックス・ブレグマン(カブス)などが選ばれた。
また、ストライクゾーンを熟知したベテランやコントロールの優れた投手も「ABS」の恩恵をこうむることになる。同記事の投手部門では、ジャスティン・バーランダー(タイガース)やマックス・シャーザー(ブルージェイズ)、山本由伸(ドジャース)らが選出されている。