今井達也、3年5400万ドルの「短期勝負」でアストロズの命運を握る

 1月1日(日本時間2日)、西武ライオンズからポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指していた今井達也が、アストロズと契約合意に達した。米スポーツ専門局『ESPN』のジェシー・ロジャース記者が第一報を伝えている。

契約の詳細

インセンティブ重視の3年契約

 契約内容は3年総額5400万ドルで、年俸は1800万ドルとなる。特筆すべきは出来高の厚さだ。80、90、100イニングと到達するごとに100万ドルのインセンティブが発生する。3年連続で100イニングをクリアすれば、総額は最大で6300万ドルまで跳ね上がる仕組みだ。また、毎シーズン終了後に契約を破棄してFAになれる「オプトアウト権」も付帯している。

市場予想を覆す「高年俸・短期」の選択

 当初は6年1億5000万ドル規模の大型契約も予想されていたが、最終的には「高年俸の短期契約」で決着した。『MLB.com』のマーク・フェインサンド記者は、他球団から「低年俸の長期契約」の提示もあったものの、今井側がアストロズとの短期契約を選択したと報じている。

村上宗隆と同様の「短期戦略」

 これは、ホワイトソックスと2年契約を結んだ村上宗隆と同様の戦略と言える。まずはメジャーの舞台で自らの市場価値を証明し、早ければ今オフにも再びFA市場へ打って出る構えだ。

バルデス去りしローテの救世主となるか

バルデスの穴を埋める役割

 アストロズはこのオフ、昨シーズンに13勝を挙げたフランバー・バルデスがFAで退団したため、ローテーションの再編が急務となっていた。今井はバルデスの穴を埋めるトップティアのスターターとして、ローテーションの上位で起用される見込みだ。

2026年シーズンの想定布陣

 今井の加入により、アストロズの先発ローテーションは以下の陣容が想定される。

  1. ハンター・ブラウン
  2. 今井達也
  3. クリスチャン・ハビアー
  4. マイク・バロウズ
  5. ランス・マカラーズ・ジュニア

 エースのブラウンは昨シーズン、平均96.6マイル(約155.5キロ)のフォーシームを武器に185.1イニングを投げ、12勝、防御率2.43、FIP 3.14を記録。31試合で200奪三振の大台を突破し、サイ・ヤング賞投票でも3位に食い込んだ。

 脇を固めるハビアーは、2024年のトミー・ジョン手術から昨年8月に復帰したばかり。2022年から2年連続で二桁勝利をあげており、今シーズンはフル稼働が期待される。

 一方で、懸念はマカラーズ・ジュニアだ。昨シーズンは故障から復帰したものの、13先発で2勝5敗、防御率6.51。復帰後も3度の故障者リスト入りを経験しており、シーズンを通した稼働には不透明感が漂う。

奪三振能力を武器に世界一を狙う

NPB屈指のパワーピッチャー

 今井は圧倒的な奪三振能力を誇る右腕として、今オフの市場で高い評価を得ていた。最速150キロ台後半のフォーシームと、キレ味鋭いスライダーを軸に押すパワーピッチャーだ。昨季は西武で10勝5敗、防御率1.92という抜群の安定感を見せた。

 今井は「ドジャースを倒してワールドチャンピオンになることが最大の価値」と公言するなど、そのハングリーな精神面も魅力だ。アストロズの命運は、この若き日本人の右腕に託された。

ヒューストンの地で、今井の咆哮が響き渡る。