村上宗隆、短期契約で「実力証明」へ ホワイトソックスと2年契約で合意 

 12月21日(日本時間22日)、ポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指していた村上宗隆がホワイトソックスと契約を結んだ。背番号は「5」に決まった。

契約の詳細

 契約内容は2年3400万ドル。「AP通信」によると、1年目に1600万ドル、2年目に1700万ドルの年俸が設定されている。オプトアウトやオプションなどは盛り込まれていない。

 村上は〝日本球界屈指のスラッガー〟として、1億8000万ドル規模の長期契約が予想されていた。2年間という短期契約について「MLB.com」は「空振りや三振の多さが課題であり、メジャーではさらなる悪化が懸念される。こういった不安要素が交渉プロセスで尾を引いた可能性がある」と指摘している。

村上宗隆はこんな選手

正真正銘のホームランアーチスト

 村上は圧倒的なパワーを誇る左打ちの内野手だ。日本球界では東京ヤクルトスワローズでプレーし、2018年から昨シーズンまでの8年間で246本塁打を放った。

 2022年にはリーグ最多の56本塁打をマーク。打率(.318)と打点(134)でもリーグトップとなり、プロ野球史上8人目の三冠王となった。

 今シーズンは「上半身のコンディション不良」により復帰が7月までずれ込み、最終的に56試合の出場に終わった。それでも、限られた出場機会のなかで22本塁打を放ち、球団記録に並ぶ7年連続20本塁打をクリアした。

懸念される「三振の多さ」

 村上の課題は「三振の多さ」だ。今シーズンの村上の三振割合は28.6%だった。それ以前を振り返っても、2023年が28.1%、2024年が29.5%となっている。

 今シーズンのメジャーリーグにおける三振割合は平均で22.2%だった。投手のレベルが格段にあがるメジャーでは、今年以上に三振が増える可能性がある。

速球への対応がカギ

 とりわけ、村上は速球を苦手とする。今シーズン、150キロを超えたフォーシームに対して打率.095と散々だった。

 速球に対して空振りをするというより「捉えきれない」という表現が的確だ。大リーグ専門誌「SLUGGER」によると、今シーズンの村上は150キロ以上のフォーシームに対して72.5%のコンタクト率を記録した。ところが、150キロ以上のフォーシームを打ちあげた場合、37.5%が内野フライに終わった。

 メジャーリーグの投手はより速く、重いフォーシームを投じる。速球への対応力を高めることが、成功への近道だと言える。

ホワイトソックスの思惑

得点力向上の切り札

 ホワイトソックスは得点力不足が顕著で、今シーズンの総得点(647)、総本塁打数(165)、チームOPS(.675)はそれぞれリーグ14位だった。

 ホワイトソックスでは、打順もシーズンを通して流動的だった。つまり、クリーンナップに固定されている選手がいない状態だ。村上は中軸にどっしりと据えられることになるだろう。

メジャーでのポジションは「一塁」

 米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、ホワイトソックスは村上を一塁手として起用する方針だという。

 一塁のレギュラー候補だったレニン・ソーサは、村上の加入により指名打者での出場が増えそうだ。村上の加入を経て、来シーズンの内野陣は以下の布陣となる。

一塁 村上宗隆
二塁 チェイス・マイドロス
三塁 ミゲル・バルガス
遊撃 コルソン・モンゴメリー

まずは「実力証明」のフェーズへ

 前述の通り、村上は圧倒的なパワーが評価されている一方で、三振の多さや速球へのアプローチが懸念されている。村上は現在25歳で、FAとなる2年後でも28歳と若い。ホワイトソックスで自らの実力を証明できれば、大型契約を狙うことができる。

トレード・チップとしても機能か

 ホワイトソックスは再建真っ只中のチームだ。状況によっては村上を駒としたトレードを実行し、対価としてプロスペクトを獲得することも想定される。来シーズンのオフには、村上の契約は残り「1年1750万ドル」となる。年数・金額の両方で、魅力的なターゲットとなるだろう。

ホワイトソックスはこんなチーム

 ホワイトソックスは1894年に誕生したチームで、3度のワールドシリーズ制覇を誇る古豪だ。1919年のワールドシリーズでは八百長に加担した複数の選手が永久追放を受ける「ブラックソックス事件」が発生。球界の秩序形成を目的に、コミッショナー制度が誕生するきっかけになった。

 今シーズンは60勝102敗で地区最下位だった。2023年から3年連続で100敗をマークしており、2024年には近代メジャーリーグで最多となる121敗を記録した。